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食のコラム

食のコラム

みなさまに知っていただきたい“食”に関する情報です。

発酵~発酵美人を目指す

リビングフードのひとつ 発酵食品

「LIVING FOODS」という言葉をご存知ですか?
これは、「LIVE:生きている」状態の食べ物という意味です。
身近な食べ物で言えば、生野菜・果物があげられるかと思いますが、乾燥させただけの海藻やナッツなども内訳に入ります。
そしてもちろん、発酵食品もその仲間のひとつ。言うなれば、食べ物のもつ“酵素”や“微生物”が生きた食べ物のことをリビングフードと呼びます。酵素食やローフードと基本的には同じですね。
世界中には、およそ3000種類もの発酵食品があるといわれています。
「発酵:Fermentation」は、ラテン語で「湧く」という意味の言葉が語源で、これは発酵の時に炭酸ガスがぷくぷくと湧き上がる様子からそう名づけられたようです。
その昔、空気中に浮遊する酵母菌などの微生物によって、はちみつやぶどうが発酵する自然現象を発見した古代人たちは、やがて「発酵」を生活に取り入れるようになりました。「発酵」がもたらしてくれる食べ物のおいしさや効能に魅了された人々は、その後長い時間をかけ工夫を凝らし、数々の発酵食品を生み出してきたのでしょう。
そして「発酵」を通して、人々はその土地ならではの豊かな食文化を作ってきたのです。
日本における発酵の歴史をひもとけば、日本の文化の背景や歴史も垣間見えてきます。
ヨーロッパ諸国でぶどうや穀物それ自体を利用した自然発酵が主流だったのに対し、縄文~弥生時代の日本では、口内で噛んだ穀物と米飯を混ぜ、唾液の消化酵素で分解されてできた糖と、空気中の浮遊菌(主に酵母)による発酵を利用した酒造りなどが行われていました。
その後、弥生時代後期には自然に米飯にカビが生えたもの(麹菌)を発酵に利用するようになります。麹菌からは酒以外にも、現在の醤油や味噌の原型となる食品が造られ、平安時代には嗜好品として街中で売られるようにもなりました。
麹菌の普及によって、日本の発酵食品文化はより多彩になり、世界に類を見ない程に豊かとなったのです。
ヨーロッパでは「発酵」は長い間、神の思し召しによると考えられてきましたが、顕微鏡や化学の進歩により、発酵の原因が空気中に浮遊している微生物であることが証明されていきます。そして、微生物の種類などの違いでアルコール発酵、酢酸発酵、酪酸発酵、乳酸発酵などの違いがでることも明らかになりました。

発酵食品の美技

発酵食品には、発酵の過程で微生物により生成された酵素や、数限りない有益な栄養素が含まれています。
酵素は、食べ物の消化を助けてくれますが、それ以外にも、アンチエイジングに重要な、ビタミンCやカロテン、ポリフェノール類などの栄養素を効率よく働かせてくれます。発酵によって栄養素の吸収性や利用効率が上がるだけでなく、栄養素自体の抗酸化力もより高まったり、免疫細胞の活性化に効果的とも言われています。

美肌成分

例えば、甘酒にはシミやくすみの原因となるメラニン色素を抑える働きがあると言われますが、これは発酵過程でできる「コウジ酸」に、チロシナーゼというメラニン生成に関わる酵素を阻害する働きがあり、美白効果が期待出来るからです。
他には納豆に含まれるポリグルタミン酸はヒアルロン酸の10倍の保水力があると言われ、保湿効果が期待されています。
そして、GABAやコウジ酸などの成分は発酵による恩恵とも呼べます。

デトックス成分

また、発酵食品にはデトックス効果があると言われていますが、これは酵素の働きで消化吸収がスムースにいくことと、含まれる酵母菌や乳酸菌などの微生物や、それらの生成物が整腸を助け、またこれらの働きで体内の老廃物の排出を促すとされるからなのです。
味噌を例に上げると、含まれる多糖類やジピコリン酸、香り成分のピラジンなどの毒素吸着・排出作用が研究されていて、放射能対策などへの応用を含め注目されています。
デトックスと整腸で腸がきれいになると、様々な栄養素の消化吸収が飛躍的に高まると考えられます。これは、腸内環境が整うことで滞留物が減り、有害物質を血中に吸収する機会が減ることで、腸自体の機能回復と消化吸収能力の向上につながるためです。
その結果、血液の質が改善され善玉菌の働きが活発になることで、微生物によるビタミンB群の生産が増え、美肌へと効果が及んでいきます。

吸収と抗酸化力

発酵食品中のたんぱく質は、発酵によって微生物に分解された形になっているため、消化吸収率がとても良いのが特徴です。発酵とは、微生物自らが生きていくために酵素を用い食品を分解し、その代謝として各種栄養素をつくりだす活動です。
麹を発酵させた調味料を使うと、いつもの食材がよりおいしく食べられると話題ですが、非加熱の麹食品には酵素がたくさん含まれ、デンプンやタンパク質を分解して食材を柔らかくする作用があるのです。分解によって生み出された糖やアミノ酸は、すなわち食材から引き出された甘味や旨味であり、おいしさとなります。
麹食品は食材をおいしくしてくれるだけでなく、乳酸菌や酵母が生み出したビタミンB1、B2、B6、パントテン酸、ビオチンなどを豊富に含み、整腸作用と共にパワフルに美肌・健康に役立ってくれるのです。
また、発酵で生まれた特殊な抗酸化作用は、生鮮食品にはみられない発酵食品の強み。ゆえに味噌や醤油に代表される発酵食品は、昔から長期保存食として人々に重宝されてきました。
緑茶の抗酸化力が高い事は知られていますが、抽出液は時間とともに急速に酸化していきます。しかし、乳酸菌や麹菌で発酵させた特殊なお茶は、ポリフェノールなどの抗酸化成分が変化し、経時劣化に強い構造になることや、加熱などに耐性をもった乳酸菌、ビタミンCなどが生じることもあるそうです。
味噌が発酵とともに褐変していくのは、ぱっと見で言えば“人間が紫外線に順応するために日焼けする”という様な変化で、劣化に強い状態を生み出しています。

発酵食品の神秘

19世紀の終わり頃、ドイツの化学者によって「チマーゼ」という酵素が発見されました。これは酵母自体が死滅していてもそれがもつ酵素によって発酵(アルコール発酵)が起きたことから発見された酵素です。
例えば甘酒は60℃付近の温度を保つことで発酵させますが、60℃というのは麹菌の生存できる温度ではありません。実はこれは麹菌自体では無く、麹菌の酵素によってデンプンが糖などに分解される発酵なのです。(麹菌の持つ酵素アミラーゼの最適温度は40℃ですが、60℃でも失活せず、その他の雑菌の繁殖を防いでくれます。)
同じように味噌醸造においても、塩分中では麹菌は活動できません。代わりに、活動のできる麹菌の持つ酵素や乳酸菌、酵母が活動することで発酵が進行するのです。
また、酒などにおける酵母の活動も非常に興味深いもので、繁殖から成長の一連の生命活動の中で様々な成分を蓄えつくり出しますが、最後は活性を失い、溜め込んだ成分が溶出します。すると今度はその養分が乳酸菌などの増殖の下地となっていくのです。
この様なリレーによりつくられた発酵食品は、無数の成分で彩られています。それらの多彩な成分は、ひとつの食品として有機的に調和して存在しています。まさに微生物達が共存共栄し合った結果のたまものです。
加熱調理の有無に関わらず、発酵食品を摂取する私たち人間は、これら微生物のつくり出した豊富な成分による相乗効果や、人体にもともと存在する微生物との共鳴調和の恩恵にあずかることができるのではないでしょうか。そしてそれが「発酵」のありがたき真髄であるような気がしてなりません。

醤油:発酵で生まれる香り

発酵食品の魅力として、なんとも言えないその芳しい“香り”も重要ですね。
発酵によって微生物が作り出した香りは、未だ解明仕切れないほど種類が豊富で複雑です。そこでは、微生物という優れた調香師がアロマの魔法でつくり出した、魅惑の世界が広がります。
例えば醤油には、300種以上もの香り成分があると言われ、バターやバニラ、バラ、ヒヤシンス、コーヒー、リンゴ、パイナップルなどを構成する香りが複雑に存在します。その中でも醤油の特徴とされるのはフラノン類による甘い芳香や、キャラメル香です。
また微量ですが、つんとした刺激のあるフェノール系の香りも存在し、醤油に独特のいぶしたような香りを与えます。その他にも、アミノ酸の一つメチオニンが変化してできるメチオノールはそれだけでは薬品みたいな臭気ですが、魚や肉などの生臭さの緩和に役立ってくれます。
醤油に火入れした際に生じる“火香”と呼ばれる芳香もあり、数多くの香り成分が複雑に絡み合い、食の世界を一段と色鮮やかで奥深いものにしてくれています。

醤油:特殊能力!?

醤油には五味(甘味・酸味・塩味・苦味・うま味)の基本味がそろっていて、「相乗現象」「対比現象」「相殺現象」「変調現象」と呼ばれる、味覚に対する“特殊現象”が起こります。例えば、塩鮭に醤油をかけると「相殺現象」により塩味が抑制されたり、煮豆を作る際に醤油を入れると「対比現象」で甘味が強調されるといった効果です。
これらの効果も、目に見えない微生物が発酵によりつくり出した恩恵です。

発酵と腐敗の違い

発酵と腐敗はどちらも微生物によるものです。
一方は人間の健康に役立ち、一方は体に有害なものとされますが、この違いはなんでしょうか。
細菌やカビ、酵母などの微生物は、人類よりはるか昔からこの地球に存在していました。生き物としての微生物は、生存のための“食べ物”を分解して自らの栄養分とし、環境に適応してきました。そして“代謝”として新しい産物をつくり出します。
この“微生物の代謝”の結果が、発酵と腐敗に分かれるのです。
代謝という観点では同じ意味を持ちますが、「風味豊かで食べられるもの」「悪臭を発生させて有害なもの」の結果の違いが人間にとって腐敗と発酵の区別になるのです。実はこの違いは微生物の種類の違いというよりは、食材の種類や温度などの様々な要因によって変わってきます。微生物にとってはどちらも生きるための活動です。
しかしながら、人間と微生物が共存し調和に向かう道は“発酵”の道です。そしてこれは、あらゆる生態系の共栄につながっていきます。
発酵方向に向かって生きることが、まわりの環境・生物全体を豊かにするといったら大げさでしょうか。
あたかも人の笑顔が伝染していくように、そして笑うことで免疫力を上げていくように、微生物による発酵は周囲の“場”(環境)を幸せな発酵場へと変えていくのです。