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食のコラム

食のコラム

みなさまに知っていただきたい“食”に関する情報です。

人工的に作り出された、濃いうま味成分について

近年、味覚障害の人が増えてきています。
推定で約250万人に達するのではないかと言われており、高齢者に多いですが、若い人でもかなりの増加傾向にあるそうで、比率的には女性の方が多いそうです。
味覚障害と言っても症状はさまざまで、深刻な味覚消失から、甘味だけ、塩味だけなど、特定の味がわかりにくくなったり、甘いものが苦く感じられるなど本来の味と違う感じがしたり、何を食べてもおいしく感じなかったり、口の中に何もないのに苦く感じたり、味が薄く感じたり、濃い強い味ばかりを好んだり、甘みが強くないと満足できなかったり、塩味が強くないと塩味を感じにくいなど、人によってさまざまです。
自覚のない人を含めると、もっと多いのかもしれません。

味覚障害を放っておくと、高血圧や糖尿病、動脈硬化、肥満などを引き起こしやすくなり、症状が複雑化すると脱毛やうつなどに発展することもあります。
原因として考えられていることは、全身性の病気や薬の副作用、ドライマウスなど口の中の問題、ストレスなどの心因性のものを除くと、亜鉛などのミネラル不足、食品添加物の過剰摂取、化学調味料などの濃い味付け、激辛など刺激物の食べ過ぎなどが考えられているようです。
舌にある味覚を感じる感覚器官である味蕾(みらい)は、体の中ではかなり新陳代謝が活発な細胞で、約1か月で新しい細胞に生まれ変わっています。
亜鉛は細胞の新陳代謝に欠かせないミネラルなので、体内の亜鉛が不足すると、最初に影響を受けてしまうのが味覚なのです。
お惣菜や市販のお弁当などの加工食品に頼りがちな食生活だと、素材のミネラルが消失していることが多いので、亜鉛がどうしても不足しがちになります。
無理なダイエットなどで食事が偏っている場合も、亜鉛不足になりがちです。
また加工食品にはフィチン酸(変色、酸化防止剤)、ポリリン酸(弾力剤)、リン酸塩(品質改良剤)などが入っていることが多いのですが、これらには亜鉛などのミネラルをキレートして外に出してしまう働きがあります。

亜鉛は味蕾だけでなく、たんぱく質やホルモン、コラーゲンの合成に関わりますので、美肌やアンチエイジングのためにも重要なミネラルです。
細胞の生成、DNA合成や体の成長、新陳代謝に欠かせませんし、活性酸素を除去するSOD酵素など亜鉛を必須とする酵素は、なんと200種類以上もあります。
不足すると味覚異常だけでなく、爪が割れたり、抜け毛が増えたり、肌が乾燥したり、お酒に弱くなったり、傷の回復が遅くなったり、目が疲れたり、卵子に亜鉛が多いため不妊や生理不順、男性の精力減退、疲れやすい、貧血、風邪をひきやすいなどの症状が出ます。
亜鉛は牡蠣にダントツに多いですが、煮干し、焼きあご、麻の実ナッツ、カカオ、抹茶、松の実、アマランサス、ゴマ、カシューナッツ、アーモンド、するめ、高野豆腐、牛肉、卵黄などにも多く含まれています。
お酢やビタミンCの多いものと一緒に摂ると吸収が良くなります。

味覚を狂わせるものとして、化学調味料、タンパク加水分解物、酵母エキス、ブドウ糖果糖液糖などを多用した濃い味付けもあげられています。
加工品や一般的な飲食店で、こうした強い味つけが増えていて、甘みや塩味も濃い傾向になってきており、市販のお菓子なんかは人工香料もすごく強くなってきています。
化学調味料は、グルタミン酸ナトリウムやイノシン酸ナトリウムなどですが、表示名称は「アミノ酸等」。何種類入っていてもこの一言ですんでしまいます。他にも「うまみ調味料」、「調味料(アミノ酸等)」といった書き方をしている場合もあります。

グルタミン酸ナトリウムも、胃に入ってしまえばグルタミン酸と塩化ナトリウムに分離します。
グルタミン酸は昆布などにも含まれますし、自然界に存在するうま味ではありますが、バイオ技術で純度高く作られた白い粉は、昆布だしで取った自然なだし汁に含まれているグルタミン酸の量よりも、かなり多量に体の中に入ってきてしまいます。 自然な食べ物に含まれるグルタミン酸はペプチド結合しており、合成されたピュアなグルタミン酸ナトリウムより、ゆっくりと消化吸収されます。
グルタミン酸ナトリウムは、塩とか砂糖みたいに入れすぎると「辛すぎる」とか「甘すぎる」などと味覚で過剰摂取を感じにくいことが問題です。
耳かき1杯で十分「うまい」と感じられるくらいの威力があるのですが、ある程度の量を超えると味覚の感受性が飽和状態になって、同じような味に感じてしまうので食べ過ぎに気が付きにくいことが最大の問題でしょう。
こうした化学調味料は、インスタントラーメンの汁、スナック菓子、コンソメ、ダシの素、漬物、煎餅、ハム、総菜パン、するめ、冷凍食品、醤油や味噌、梅干しにまで入っているような状況です。
日本人の化学調味料の一日の平均摂取量は約2.5gで、加工食品を多く食べる人や外食が多い方は、6gを超えるとも言われています。
アメリカではMSGと呼んで、脳の神経毒としても問題視されています。

化学調味料ではありませんが、たん白加水分解物という、うま味成分もあります。 原料に使うのは、肉や魚を加工した時に出来る残渣や、大豆油を採取したあとの残りかすなどです。これを塩酸や酵素で分解してアミノ酸液にしたりアミノ酸粉末にしたりするのです。
塩酸はむろん劇薬ですが、塩酸でたんぱく質を分解する時に、変異原性のあるクロロプロパノールという成分が微量に出来てしまうことも問題視されています。クロロプロパノールは長期間摂取すると腎臓に悪影響があると言われています。
現代のお醤油はこの大豆カスを分解したアミノ酸液から作られるものもよくあります。
たん白加水分解物をいろいろ組み合わせれば、豚肉や鶏肉を使っていなくても、とんこつ味やチキン味なんかも出来てしまう、いわば魔法の粉です。
このたん白加水分解物は、ベストセラーになった安部司さんの「食品の裏側」で、化学的に作られた自然界にはあり得ないほどの濃厚なうま味を子供達や若者がおいしいと感じてしまい、野菜や天然の出汁などの繊細で深い味わいが分からなくなっていると指摘されました。
たん白加水分解物は、化学調味料に比べればまだマシとばかりに、自然食品の加工品にも使われていることがありましたが、安部さんの本以降、だんだんと使われなくなっていき、代わりに酵母エキスというものが台頭するようになりました。 名前がナチュラルな感じなので分かりにくいですが、これもビール工場から出る廃液の酵母やパン酵母など食品の残りカスに含まれる酵母を培養し、そのたんぱく質を加水分解したアミノ酸です。やはり強いうま味であることには変わりありません。

人の味覚は順応しやすいので、濃い味に慣れてしまうと鈍化する傾向があり、長年慣れてきた味をおいしいと思う習性もあるので、ずっと摂取していると、それがないともの足りないと感じるようになります。
こうなると、自然な食材の風味が薄く感じてきます。
生まれた時から段々と舌の味蕾が増え、味覚の感性のベースは1歳から5歳くらいまででかなり仕上がるそうです。
そのため幼い頃から味の濃い料理やジャンクフードを多量に食べていると、味覚が鈍くなるという説もあります。特に感覚が鈍りやすいのが塩味で、次に甘味だと言われています。
唐辛子の多い激辛のものばかり好む方がいますが、これも摂りすぎると、味を感じる味蕾が辛さの刺激で麻痺します。
一時的に麻痺するくらいなら問題ないのですが、激辛ばかりを食べ続けると舌の表面を荒らすだけでなく、味蕾を傷つけてしまうようです。
激辛料理を食べた直後に、舌の検査をしてみると、味覚に対する反応が著しく低下していることがあるようです。
もちろん唐辛子を摂ることで、代謝が良くなる効果もあるし、塩分控えめの料理が濃い味に感じられるというメリットもあるので、適度に食べる分にはとても良いと思います。 ただ、激辛というのは本質的には「痛み」の感覚だそうで、これにより脳内ではβエンドルフィンという鎮痛作用のある快感物質が分泌されるため、この快感を得ようとして中毒性を持つことが問題です。

20歳の頃、約9,000個あった味蕾は加齢と共に減少し、80歳では約4,000個になるとも言われています。
ところが味覚障害や、その予備軍の方は、極端な例では、10代や20代で味蕾が200個しかないという方もいるそうです。
味蕾は、約1か月で新しい細胞に生まれ変わります。
自然界にないほどの精製された濃いうま味成分ではなく、昆布や煮干し、あごだし、干し椎茸などの優しいうま味とミネラルで、美しい舌を取り戻しましょう!