勝田小百合×篠原康幸さん対談

植物に宿る水「植物細胞水」とは一体?

植物に宿る水「植物細胞水」とは一体?

アムリターラのスキンケアで使用している「植物細胞水」。
見た目は「普通の水」でありながら、水とは似て非なる特性をもつ非常にパワフルな液体です。
今回の対談では、北海道・札幌にある自社農園で植物を育て、
日々、植物細胞水を抽出している篠原康幸さんにお話を伺いました。

対談者 プロフィール

篠原康幸さん
有限会社エッセンチア代表取締役/薬剤師・調香師
札幌の自社農園で、化学肥料を一切使用せずに植物を育て、化粧品の原料や商品の開発を行っている。調香師の一面も持ち、上質な天然香料の香りを封じ込めた香水「DI SER」は海外でも高く評価されており、イタリアで開催される香水展「Esxence」などに参加。
アムリターラに原料を提供、一部商品の製造を担う。
勝田小百合
1968年生まれ。カイロプラクター。一児の母。国産オーガニックコスメ「AMRITARA」代表兼商品開発担当。 ナチュラルカイロプラクティック院長。
都内にある治療室で多くの女性の施術をしながら、ブログ「アンチエイジングの鬼」で健康美容情報を発信。近著に「老けないオーガニック」(ワニブックス)がある。
豊かな自然の中で、植物が自生する農園

勝田:篠原さんは札幌の自社農園で、化学肥料を使わずに自然循環型の農業を行いながら、漢方や香水、ハーブティーなどを販売しているお店を経営しています。
今日は、自社農園で育っている植物のことや、アムリターラの商品でも使用している「植物細胞水」についてお話を伺いたいと思います。よろしくお願いします。

 

篠原さん:よろしくお願いします。

 

勝田:篠原さんは札幌の郊外に農園と森を所有していますが、どのような植物を育てているんですか?

 

篠原さん:農園では、20~30種類のバラや紫根、エゾウコギ、トウキ、クロモジなど100種類以上の植物を育てていますね。

 

勝田:100種類以上も!今朝、農園でバラ摘みをさせていただいたのですが、本当にパワフルで多様性に富んだ農園で、さまざまな植物が自然にところ狭しと育っていたのが印象的でした。とくにレッドクローバーの多さにはびっくり!

 

 

篠原さん:いつの間にかレッドクローバーだらけになっていました(笑)。タンポポもすごく多くて…。「栽培しているんですか?」ってよく聞かれるんですが、栽培ではなく自生なんですよ。

 

勝田:森には白樺もありましたね。あの白樺の樹液を、「ローズリビングセラム」に使っていただいているんですよね。

 

篠原さん:森に自生している樹木から採取する樹液も化粧品の原料として使用しているんです。北海道の森には、特徴のある植物が多くて、畑で育てるのに向いた植物もありますが、森で育ったほうがよい植物もあるんです。

 

 

勝田:そうなんですね。ハマナスもすごくたくさん育っていましたね。

 

篠原さん:ハマナスは2,000~3,000本植えています。

 

勝田:農園のすぐ横に新しい蒸留所がついに出来ましたね。屋根がドーム状になっているので「ハマナスドーム」って私が勝手に名付けてしまいましたが(笑)、地熱を利用した床暖房と太陽光発電で電力までサスティナブル!

 

篠原さん:電気工事を自分でするために電気工事士の資格も取りましたからね(笑)

 

勝田:本当に夢のような農園です!篠原さんには長年、ハマナスを使った美容液とクリームを作っていただいているんですが、そもそもなぜハマナスを育てようと思ったんですか?

 

篠原さん:北海道に自生する野生種のバラだからですね。

 

勝田:ハマナスは北海道を代表する植物ですよね。沖縄でいうハイビスカスのように海岸沿いとかに咲いていますし。

 

篠原さん:そうですね、海岸沿いや街路樹にも咲いていますね。

 

勝田:篠原さんは、ハマナスを育て始めて何年くらい経つんでしょうか?

 

篠原さん:10年くらいかな。前の畑では5~6年育てていて、今の畑に移って4年になるから約10年ですね。

 

勝田:今日の朝5時から、篠原さんの畑でハマナス摘みをさせていただいたんですが、たくさんのハマナスが咲き誇っていて、幸せな香りに包まれました!在来種のバラなので、トゲが結構しっかりあるなと思いましたね。ハマナスの開花時期はちょうど今頃でしょうか?

(対談時期は2019年7月初頭)

 

 

篠原さん:6月中旬からちらほら咲き出して1ヶ月は咲き続けますね。1回シーズンを迎えた後、9月にもう一度咲くんですよ。2回咲くんですけど、夏の間もちょこちょこ咲いていますね。

 

勝田:何回も来ているんですが、今回はまさにベストシーズンに札幌に来れて良かったです!ところで、ハマナスはどんな美容にうれしい成分が詰まっているのでしょうか?

 

篠原さん:ハマナスの花の色から言えば、ポリフェノールをたくさん含んでいますね。

 

勝田:ハマナスの花びらのORAC値*を計ると値が高いと言われるベリー系よりも高くてびっくりしました。
*食品やサプリメントの活性力を化学的に分析する基準値

 

 

篠原さん:あと、ハマナスの美しい姿に癒されますよね。

 

勝田:あの深いマゼンダピンクは見ているだけで心が穏やかになり、幸せな気持ちになります。

 

植物に宿る水「植物細胞水」とは一体…?

勝田:次に、アムリターラの商品にも使わせていただいている「植物細胞水」についてお話を伺いたいのですが、篠原さんは植物細胞水のエキスパートですよね。

 

篠原さん:植物には70~90%の水が含まれているんですが、この水に植物の秘密が隠されているようでいろいろと調べています。

 

勝田:人間も60%~70%が水で出来ていますが、植物は水が大半を占めているんですね。植物に含まれる水って、具体的にはどういう水なんでしょうか?

 

篠原さん:植物に含まれる水は大きく分けると、「細胞内の水」と「細胞外の水」、「細胞壁まわりの水」の3種類を含んでいます。例えば、果物をギュッと搾ると水(果汁)が出てきますよね。これは「細胞外の水」なんです。でも、花を搾っても水は出てこないですよね。何故かというと花には「細胞内の水」が多いからなんです。「細胞内の水」は搾っても出てこなくて、この「細胞内の水」が植物細胞水なんです。

 

勝田:なるほど!<植物細胞水=植物の細胞内の水>ということですね。それにしても、植物の細胞内にこんなにも水があるとは驚きです。植物に宿る水「植物細胞水」とは一体…?

 

篠原さん:細胞内にある水は、丈夫な細胞壁に守られているので搾るだけでは出てきません。花をぶら下げておくと乾燥しますよね(ドライフラワーをイメージ)。あれは、細胞内の水が蒸発することで乾燥するんです。少しは水分が残りますが、要するに自然乾燥で出てくる水なんです。そのため、最近までこの水が知られることがありませんでした。

 

勝田:では、植物の細胞内の水をどうやって抽出しているんですか?

 

篠原さん:専用の機械を使って、「減圧低温蒸留法」という製法で取り出しています。まず、蒸留器内を真空・無酸素状態にすることで、30~35℃の温度で植物を乾燥します。次に、乾燥の際に蒸発する植物細胞水を冷却することで抽出できる仕組みです。

 

 

勝田:30~35℃なら、植物が持っている酵素や繊細な香りも失われることはないでしょうね。植物細胞水は、一見すると「香りのある無色透明な水」ですが、植物ごとに特徴があるんでしょうか?

 

篠原さん:そうですね、植物の数だけ水の種類があります。そして、植物の種類だけでなく、花や葉、根など部位によっても特徴は異なります。

 

勝田:篠原さんは今まで何種類くらいの植物から、植物細胞水を抽出してきたんですか?

 

篠原さん:200~300種類ですね。

 

勝田:えっ!そんなにですか!?

 

篠原さん:何から何までやってみました。花だけではなく、果物からも抽出しましたよ。ポンカン、伊予柑、シークヮーサー、桃、ブドウ、マスカット…。野草だとヨモギやクマザサ、ウドもやりました。変わり種だとワサビも。

 

勝田:ワサビの細胞水!

 

篠原さん:はい。生のワサビの葉から抽出しましたけど、涙が出ましたよ…。

 

勝田:先ほど農園でタンポポがたくさん生えたと仰っていましたが、タンポポも植物細胞水にしたんですか?

 

篠原さん:はい、そうです。まず、摘んだタンポポの花から植物細胞水を抽出します。その後の乾燥した花からは「ルテイン」が摂れるんですよ。こうすることで余すことなくタンポポを利用することができます。

 

 

勝田:そうなんですね。アムリターラでもマリーゴールドのお花のルテインをサプリメントにしています。タンポポもですが、あの黄色いお花の色もパワーがあるんですよね。ところで植物細胞水は、具体的にどのようなパワーを秘めているのでしょうか?

 

篠原さん:植物細胞水をいろいろ調べてみたんですが、どうやら「情報伝達」を行っているみたいなんです。

 

勝田:細胞内の水だから、細胞同士の情報伝達をしているってことでしょうか。

 

篠原さん:そうですね。香りも情報の一つですし、植物細胞水自体も情報なんです。そもそも水って情報を伝える役割があって、人間の身体の中のネットワークも水同士が行っているんです。

 

勝田:身体の約60%は水ですものね。

 

篠原さん:そうです。そのネットワークが崩れると体調も崩れるみたいなんです。それで、健康のカギを握っているのが植物細胞水だと思っています。

 

勝田:なるほど!

 

篠原さん:面白いです。例えば桜(蝦夷山桜)は蒸留するまで香りが出なくて、蒸留することで香りが出るんです。びっくりしますよ。

 

勝田:植物細胞水にしてみて初めて分かる香りってあるんですね。今まで桜の花を嗅いでも分からなかったんですが、植物細胞水になるとあの香りを感じることができました。

 

篠原さん:タンポポもそうですね。みなさん思い浮かべてほしいんですが、タンポポの香りって思い出せますか?

 

勝田:タンポポの香り…、どんな香りだったか意識したことなかったですね。

 

篠原さん:タンポポは香りの足跡を残さないっていうのかな。香りはあるはずなんですが、思い出せないし表現できないんです。

 

勝田:そのタンポポの香りが、植物細胞水になると分かるってことですか。

 

篠原さん:そうです。タンポポの植物細胞水の香りを嗅いで農園に行くと、タンポポの香りが分かるようになりましたね。不思議な植物ですよ。

 

篠原さん:それと、植物細胞水は飲んだら元気になったと話す人が多いですね。

 

勝田:私も何度か助けられています。あれはどうしてなのでしょうか?

 

篠原さん:それは「表面張力」と関係があります。表面張力とは、水がどのくらいのエネルギーを持つかを知る指標で、温度が高くなると数値は下がり、温度が低くなると上がる特徴があります。ハマナスの花の植物細胞水の表面張力を測ると、100℃の熱湯より表面張力が低いんですよ。表面張力が低い方がエネルギーが高いのですが、表面張力が低いと浸透しやすくもなるんです。

 

勝田:吸収しやすいから、飲んだり、肌に塗ったりすると植物のパワーを感じやすいんですね!すべての物質は固有の振動数を持っているそうですが、細胞水は振動数も高くエネルギーも高いんですよね。

 

篠原さん:そうです。ちなみに、今までに調べた植物細胞水の中だと、ハマナスの花の表面張力が一番低い数値でしたね。

 

勝田:2~300種類もの中で!!それだけエネルギーも高いと言うことですね。ハマナスの花の植物細胞水は、美容にも健康にもすごく良さそうですね!!

勝田:篠原さんといえば、薬剤師として化粧品を製造する一方で、調香師としても活躍されていますよね。篠原さんが手掛けた天然香水は、イタリアの有名な香水の展示会「Esxence」でも大反響を巻き起こしていますし、世界各地から天然香水を求めてお客様がいらっしゃると聞きました。化粧品と香水、どちらを先に始めたんですか?

 

篠原さん:同じくらいか、香水のほうが先だったかもしれません。香水は、25年くらい前から作っています。独学ですが、香水の勉強のために何回かフランスに行きましたね。

 

勝田:篠原さんには、毎年アムリターラの天然香水を作っていただいていますが、とても好評です!!篠原さんの香水を求めに、直営店のアムリターラハウスに海外からお客様がいらっしゃることもあります。

 

篠原さん:そうですね、海外からもお問合せが多いです。

 

勝田:現代は合成香料のものが多すぎて、気分が悪くなる方も多いと聞きますが、自然界に存在する香りは含まれる成分のバランスがナチュラルなので、リラックスできたり、女性もリフレッシュできたりしますからね。

 

篠原さん:香りは植物細胞水の中にも含まれていて、エネルギーが高く、目で見ることができません。目に見えないけれど、そこにはしっかりと存在してさまざまな情報を伝えているものだと思います。

 

勝田:エネルギーの高い植物細胞水は、私たち人間の体の60%の水分とも共鳴し、天然の香りの分子はダイレクトにとどきます。植物細胞水は、美と健康に頼もしく寄り添ってくれそうですね!