サスティナブルコラム

「未検査米」表示について

未検査米とは、品種・銘柄の農産物検査を受けていないお米のことです。

検査は、地域の登録検査機関が行います。この検査は農産物検査法に定められた検査で、種類、品質等のまちまちな農産物を規格化することで、公正かつ円滑な取引きを助長することなどを目的としています。

 

検査内容は、提出したお米の一部を取り出して目視等による品種、量目、粒ぞろいの検査や水分量等の検査を行います。検査を受けることで産年・産地・品種銘柄・品位規格を表示出来ます。

この検査を受けていないお米は、未検査米と言われ、JAS法によりパッケージに品種や産地、産年を表示することが出来ません。

 

例えば、農家さんが自家利用やご友人のために作っている市場で取引きされないお米は、検査を受ける必要性が無い為、未検査米となる場合がほとんどです。未検査米は、銘柄を表示することが出来ません。農家さんが自家採種という形で種取りを行なった品種となります。

 

アムリターラ フーズのお米は、未検査米の為、品種・年産を表示することは出来ませんが、契約農家さんからお米を仕入れ、選別機で検査し、保管・精米を行っております。

 

 

 

自家採種(じかさいしゅ)について

自家採種とは、農家が育てた農作物から自分で種を採ること。そして採った種で次の農作物を作ることです。

 

農家は子孫を残していくのに相応しい農作物を選び、その土地と環境、そして自分の栽培方法に合った品種を育てていきます。自家採種を何度も繰り返すうちに個性のある品種が生まれてきます。

「自分の畑の作物から、次世代の種を採る。」昔はごく当たり前のことでしたが、今は野菜においても、販売されている種の主流が「F1種」(一代交配種)の為、家庭菜園から農家まで、種取りはせずに、次に植える時はまた種を買って来るというのが一般的になっています。

 

F1種は、見た目や形の規格が揃って、収量が上がるように、一代限りの種から作られる野菜です。F1種はメンデルの法則を利用して、高収量、均一性、早生、害虫に強いなどの優秀な性質を持たせる為に異なる品種を交雑させて生み出した品種のことを言います。大量生産、大量流通に適した便利な種です。
優秀な性質は一代しか続かず、二代目からは性質が崩れるので、毎年新しい種が必要になることが多いです。ただ、形や性質がそろいにくい自家採種の作物に比べて毎年安定的な作物を作りやすいことが利点です。

 

作物は種の段階で、その生命力・要素の約半分が決まってしまうと言います。種は命の源です。命の情報がすべて詰まっています。土は母で、種は父、出来た野菜が子供です。これまで使われてきた農薬の害もその種の中に蓄積されていますので、無農薬栽培をするなら本当は種も自家採種するのがベストです。しかし現代では、種を毎年種子会社から買うことが当たり前のようになり、その地域で固有に存在していた伝統的な品種が次々と消滅しています。

 

生物多様性こそが自然の美しい姿と考えています。アムリターラでは出来る限り、自家採種、固定種、在来種を応援しています。