サスティナブルコラム

精米のメリット

お米は生きています。精米後から酸化が始まっていき、美味しさや栄養価が低下していきます。お米の美味しさは「粘り・弾力」の物性と「甘み・旨み」の味わいが相まって生まれます。玄米の状態は酸化が緩やかなので、毎回精米することでより新鮮なごはんが楽しめます。ぜひ「自家精米」を取り入れ精米生活を楽しんでください。
最近の家庭用精米器は炊飯器よりも小さく非常にコンパクトで、精米音も比較的抑えられています。また3分搗き、5分搗き、7分搗き、無洗米仕様、白米磨き仕様などいろいろなモードを備えたものが増えています。気になるお値段も家電ネットショップなどで旧機種なら1万円を切るものもあり、新機種でも探せば1万円台で出ているものもあります。

 

 

さらに、自家精米ではおまけが付いてきます。そうです、ぬか(糠)です!自然栽培ならではの良質なぬかを使って、ぜひ美味しいぬか漬けをご飯のお供にどうぞ。

ぬか漬け

野菜をぬか漬けにすると乳酸菌を摂りこめるだけでなく、漬け込みに伴いミネラルやビタミンが増えると言われます。
体内で塩分バランスのために必要なカリウムや、大切な栄養素である葉酸も増えると言います。そしてぬか由来の植物性の乳酸菌は塩分に強いのも特徴です。

 

「ぬか漬けのかんたんな始め方」

  • ①精米するたびに出来るぬかを、ビニール袋等に入れて冷蔵庫で一定の量になるまで溜めておく。
  • ②容器に米ぬかと7%の塩(米ぬか重量の7%)を混ぜあわせ、耳たぶのかたさになるように、ぬかと同量くらいの水を注いで手で混ぜる。
  • ③②の中にくず野菜(外皮など)やシイタケのイシヅキなどを入れる。そのまま常温で置き、3~4日間、毎日手でかき混ぜる。
  • ④発酵したぬかの良い匂いがしてきたら、ぬか床の完成。(捨て漬け用の野菜は除いてください)
  • ⑤お好みで唐辛子や昆布、干ししいたけを少々漬け込むとぬか床に旨みをもたらし、余計な水分を取ってくれます。味噌を少量加えるのもおすすめ。
  • ⑥お好きな野菜を水洗いして(早く食べたい場合は薄めに切り)、よく水を切って、ぬか床に均等に埋めます。野菜によりますが1日~3日くらいで食べ頃です。
  • ・ぬか床は1日~3日に1回は手でかき混ぜましょう。ポイントは表面と底を入れ替えるイメージで混ぜることです。
  • ・夏場は冷蔵庫に入れると良い状態が保てます。この場合は発酵が遅いので食べられるまで2、3日かかります。その際、野菜の大きさを大きくすると漬かる時間を長く調整できます。

 

ぬか漬けのその他のポイント
  • 野菜を取り出す際は、野菜表面の水分の多いぬかをそぎ落とさずそのまま取り出す。
  • 水分が多いようならぬか床の一部を凹ませ、凹みに溜まった水を布で吸い取る。
  • ぬかや塩分は野菜に移る分だけ減っていくので、時々補充が必要です。ぬか100gに対して、塩7g(7%)を目安に補充し、耳たぶのかたさになるよう水を足してください。
  • 「ぬか分け」と言って、育ったぬか床を適量分けてもらい混ぜるのも効果的です。
  • 野菜を長い間ぬか床に入れておくと乳酸発酵が進み酸っぱくなりすぎます。漬け込み過ぎでアルコールのツンとした発酵臭が強くなった際は、漬けあがった野菜を取り出す時にぬか床をかき混ぜれば、酸素が混ざり込み乳酸菌の増殖を適度に抑え、過発酵状態をある程度改善することができます。
  • 旅行などで長くぬか床をかき混ぜられない時は冷蔵庫へ。この場合、冷蔵庫に入れていても、表面に白い菌がたくさん付いてしまうことがあります。そのような時は表面から少し多めにぬかを捨てて、新しいぬかや塩、水を足します。
  • 乳酸菌が減ってしまい芳醇な味わいの乏しいぬか床には、新しい米ぬかと塩を加え3日間ほど触れずに熟成させ、その後全体を混ぜ込むと発酵がよみがえりやすくなります。
  • 常にぬか床をよい状態に保つように心がけるのは重要です。

 

 

ぬか床は、まめにかき混ぜて空気を入れ、塩を足すなどの手入れをまめにすれば、何十年も生き続けるといい、かき混ぜる人の常在菌や空気中の菌などによりその家庭に適したぬか床に育っていくと言います。家宝といえるぬか床に成長していくのですね。
たのしい精米生活、まだの方はぜひはじめてみてください。