サスティナブルコラム

なぜ、オーガニックコスメのブランドが食品を手掛けるのか

アムリターラフーズ

初めて出会ったアムリターラ製品がスキンケアやメイク等の化粧品というお客様の中には、「なぜオーガニックコスメのブランドがここまで食品を?」と驚かれた方もいらっしゃるかもしれません。

 

今日何を食べるかが、明日の私たちを育む。そう考えるアムリターラにとって、食品もまた、健康と美を支える欠かせない要素の一つです。酢や味噌、醤油といった発酵調味料から、乾物、お茶やコーヒーまで。多岐に渡る食品のプロデュースを手掛ける開発担当の亀山に、アムリターラの食品についてのこだわりを聞いてみたところ、意外な答えが返ってきました。

アムリターラフーズ

「美味しさに徹底してこだわる。本物を届けたい一心で魂込めてやっています」

原料である農産物の栽培方法、安全性、環境への負荷軽減。開発の「こだわり」を尋ねて、まずはじめに挙がるのはそういった取り組みであると想定していましたが、開発者から第一声として返ってきた答えは「美味しさの追求」でした。以下、亀山談。

 

「味は裏切らないんです。自ら情報を取りに行き、全国各地の生産者さんのもとへ出向き、目で見て実際に味わってみて、これだと思ったものしか商品化しません。生産者さんや製造元と相談し、手を取り合って理想の味までもっていく。そうやって最終的に出会えた味の背景には、必ず美しい自然環境を守りながら想いを込めて仕事をしている生産者さんがいます。本物の美味しさとは結果的にそういったものです。」

 

美味しくなければ継続されず、その商品を取り巻く全てのFLOW(循環)も滞ってしまう。それは、使い心地に納得できるからこそ継続して使う化粧品も同じだという。幸福になれるものでなければ続かないし、続けることでこそFLOWが生まれる。自然のサイクルも、生産者にとっても、消費者にとっても。

 

「例えば、梅に人生をかけた生産者さんが宮崎県都城で半世紀にわたり農薬を使わずに育て上げるパワフルな梅製品、大分県別府市の山林で、この道50年の農家さんがたった一人で守り続けている椎茸林の原木椎茸。ひとつひとつ、自信をもってお勧めできる本当に美味しいものであり、その全ての背景に、人知れず想いを込めて仕事をしている人たちがいます。お客様にはぜひ、その味を堪能してほしいと思います。」

 

  • アムリターラフーズ - 梅
  • アムリターラフーズ - 椎茸

アムリターラフーズ - 梅

アムリターラフーズ - 椎茸

伝統を受け継ぎ、自然を守り、持続可能な社会へ

では、美味しさを追い求めてたどり着いた「味」を生み出している製造方法や素材とはどんなものなのでしょうか?

 

伝統的な製造方法により丁寧に生み出された食品には、素材本来の味わいがあります。しかし、現代社会の利便性の追求や時短傾向の中で、古くから受け継がれる製法や食文化が失われつつあります。

 

製造工程の違いを味噌を例に挙げて簡単に説明します。本来、味噌は大豆を煮て潰し、温度管理をしながら米や麦などの原料に「コウジカビ」を繁殖させ、潰した大豆と麹、塩を混ぜ合わせて造ります。こういった「天然醸造」の味噌は、仕込んでから時間をかけてじっくり発酵させます。一方で、大量生産されるものの多くは仕込んだ味噌を加温することで発酵を早めたり、添加物を加えて旨味を出すような手法がとられます。

 

酢や醤油にも、天然醸造とは異なる、強制的に発酵を進ませる「速醸法」が存在します。こういったものは、じっくりと菌によって醸されたものの味とは一線を画し、生産や流通の効率化という点からも、うま味調味料や保存料が添加されることになります。

 

アムリターラフーズ - 醤油

微生物の働きを最大限生かした味噌や酢、醤油、味醂が私たちに与えてくれる自然の恵みや深い美味しさを守るためにも、アムリターラは全国各地の伝統製法を続けている生産者さんと商品作りをしています。

 

そして、そのように伝統的に作り出される食品は良い素材があってこそ。アムリターラではすべてのカテゴリーで採用している原料のほとんどに、自然栽培、野生ならびに栽培時の農薬・化学肥料や収穫後のポストハーベスト農薬を使わないものを用いています。

アムリターラフーズ-醤油

[ケース1]蔵付き麹菌 かめ壺仕込み 玄米黒酢

日本の黒酢発祥の地、鹿児島県。この地で黒酢の醸造が始まったのは江戸時代後期の1800年頃と言われ、なかでも商業地であった福山は、良質なお米や美しい湧水、更には温暖な気候にも恵まれ、黒酢造りに最適な場所でした。

 

戦後、長期熟成が当たり前だった黒酢造りにおいても、数か月という短期間で速醸されるものが出てきました。そのような時代の流れに危機感を抱いた、食養生に熱心な鹿児島県の医者8人が集まり、「健康のために昔ながらの黒酢を造りたい」と1974年に創業した醸造所。その素晴らしい志が受け継がれている醸造所で、アムリターラの黒酢を造っていただいています。

 

黒酢はまず米麹を造るところから始まります。米麹は蒸したお米に麹を混ぜ合わせて造るのですが、この時玄米を少しも精米せずに蒸していることが、この黒酢の特徴です。今ではほとんど利用されていない蔵付き麹菌を用いて特製の薩摩焼のかめ壺でじっくり発酵熟成するのですが、長年使用されたかめ壺には、野生の酵母や酢酸菌が棲んでいて、これらが発酵熟成する過程で調和を奏で、この醸造元ならではの味と香りを造りあげます。

 

自然の恩恵を受けた玄米と、菌のチカラ、伝統を守りたいという想いが織りなす黒酢の味は、角がなくまろやかで、コクがあります。是非一度、ご賞味くださいませ。

 

  • アムリターラフーズ- 黒酢
  • アムリターラ玄米黒酢

アムリターラフーズ- 黒酢

アムリターラ玄米黒酢

[ケース2]米味噌

創業100年以上の福井県の味噌蔵で、九州産の自然栽培玄米と大豆を、蔵付き麹菌と木桶を用いて熟成させた米味噌 です。岐阜と福井の県境に位置する夜叉ヶ池に源を発する、ミネラル豊富な日野川の伏流水を地下水として汲み上げ、味噌造りに使用しています。

 

現在、日本で醸造されるほとんどの味噌は専用に培養した麹菌を使っていますが、こちらでは昔ながらの自家採種による「蔵付き麹菌」を使用し、じっくりと熟成させる味噌造りを行っています。100年続く味噌蔵には、仕込み場の空気中にも壁にも野生の麹菌がたくさんいます。蔵に棲み付く数種類の麹菌が、多重奏の様にコクと旨み、甘味、風味などを醸し出してくれます。

 

自然栽培、木桶仕込み、蔵元による麹菌の自家採取、加温せずに時間をかけて熟成する「天然醸造」。大量生産では省かれるひとつひとつの伝統的かつ環境に負担をかけない技術で醸された味噌は、お米の甘みと大豆の旨みが程よく、まろやかでバランスの良い味わいです。

 

  • アムリターラフーズ- 米麹
  • アムリターラ玄米黒酢

アムリターラフーズ- 米麹

アムリターラ玄米黒酢

 

 

食は、美と健康からなる幸福な毎日を支え、社会や自然環境の健全なFLOWにおいても大きな役割を担います。それが、アムリターラが皆さまに食品をお届けし続けている理由なのです。皆様どうぞ、美味しい毎日をお過ごしください。