サスティナブルコラム
クリルオイルについて知っておくべき3つのこと
- 1. そもそも「クリル」とは?
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クリルオイルの「クリル(Krill)」とは「ナンキョクオキアミ」のことです。ナンキョクオキアミは、エビに似た動物性プランクトンの一種で、地球上でもっとも汚染が少ない海域と言われている南極海に大量に棲息しており、クジラなどの主要な食物となっています。
通常、食物連鎖の上位であるほど環境汚染の影響を受けやすいとされていますが、ナンキョクオキアミは食物連鎖の下位に位置するため、ピュアな生物であると言えます。このナンキョクオキアミから得られる真っ赤なオイルが「クリルオイル」です。
- 2. クリルオイルは何が凄いのか?
クリルオイルの凄さは何といっても豊富な栄養素にあります。一般的な魚油に含まれる栄養素として、DHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)が有名ですが、クリルオイルはDHA・EPAはもちろん、それ以外にも美容・健康に役立つさまざまな栄養素を含んでいるのが魅力です。
クリルオイルに含まれる栄養素
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- オメガ3脂肪酸のDHA・EPA
サバやイワシなどの青魚に多く含まれている栄養素です。体内で合成できないため、食事から摂取する必要がありますが、現代人は食生活の欧米化でオメガ6脂肪酸(サラダ油やごま油)を摂りすぎの傾向があり、オメガ3脂肪酸が慢性的に不足していると言われています。
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- リン脂質
リン脂質は、グリセリンに脂肪酸とリン酸が結合した複合脂質です。ヒトの細胞膜や神経組織を形成する主要成分であり、水になじみやすい親水性部分と、水になじまない疎水性部分の両方を併せ持っています。クリルオイルに含まれるDHA・EPAはこのリン脂質と結合しています。
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- アスタキサンチン
クリルオイルの鮮やかな赤色は、アスタキサンチン由来の色です。アスタキサンチンは主にエビ、カニ、サケなどに含まれるカロテノイド系色素の一つで、美容に嬉しい成分としても有名です。アスタキサンチンはナンキョクオキアミの赤い部分に含まれています。
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- ホスファチジルコリン
ホスファチジルコリンとは、リン脂質の一種で、脳や神経組織などに多く含まれ、細胞膜の主要な構成成分です。神経伝達物質のアセチルコリンの材料にもなり、毎日の健康に不可欠な栄養素です。
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- 3. 最大の特徴は「吸収力」
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クリルオイルの最大の特徴は、体内への吸収に優れているということです。
魚油に含まれるDHA・EPAは中性脂肪型(トリグリセリド型)と呼ばれるもので、水と混ざらずに分離してしまいます。そのため、体内に吸収されるには胆汁酸による乳化が必要です。一方、クリルオイルに含まれるDHA・EPAは「リン脂質結合型」というもので、リン脂質とDHA・EPAが結合しています。リン脂質は乳化力が高く、水と混ざりやすいという特性があります。これにより、クリルオイルは「油」でありながら水に溶けやすく、魚油よりも体内への吸収率が高いというメリットがあるのです。
サプリメントなどで効率的にDHA・EPAを摂取したいなら、魚油由来のものよりもクリルオイルを摂取することをおすすめします。
- 参考サイト:
クリルオイル研究会 https://www.krill-oil.jp/