サスティナブルコラム

アムリターラが掲げる「化粧品10の約束」
〜後編〜

アムリターラが掲げる「化粧品10の約束」<br>〜後編〜

「10の約束」について

アムリターラの化粧品は、独自の厳しい基準「化粧品10の約束」を守りながら、美しい自然の中で育った植物が持つ力を活かして開発しています。
今回のコラムでは、1~10まである約束のうち、後編(6~10)をご紹介します。

 

「10の約束」の前編については、こちらのコラムで紹介しています。ぜひご一読ください。

» アムリターラが掲げる「化粧品10の約束」〜前編〜

「10の約束」後編
06

石油由来成分や遺伝子組み換えしたと判別された原料は用いません。

 

化粧品10の約束-ハマナスアムリターラは石油由来の化学合成成分を一切使用せずに化粧品を開発しています。植物由来成分だからといってすべてが安全なわけではありませんが、インドのアーユルヴェーダや中国の漢方、フランスのアロマテラピーなど植物を使ったケアには何千年という長い歴史があり、害があるものは自然と淘汰されてきたと考えられます。

 

更に、近年では植物が持つ特徴成分「フィトケミカル」について次々と解明されてきています。日本では、1950年代以降に石油由来の化学合成成分を使った化粧品が使われるようになりましたが、アムリターラでは植物の種や実を搾ったオイルや植物エキス、天然の香り成分の精油といった古くから美と健康のために使われてきた植物の力を信じて化粧品を生み出しています。

 

遺伝子組み換え原料については、食の根幹をなす「種」の支配を懸念しています。世界各国の遺伝子組み換え作物の栽培面積は、トウモロコシ・ダイズ・ワタ・ナタネの4種類を中心として、年々増加しています。一方、昔から受け継がれてきた種子(固定種・在来種)は急速に失われています。一つ一つ個性を持った種が失われることは、その土地だけの味わいを持った作物が消えてしまうことでもあります。これは、あるべき自然の姿とはほど遠く、生物多様性が失われてしまいます。自然界の調和や生物多様性を重視するアムリターラでは、遺伝子組み換えと判断された原料は一切使用しません。

化粧品10の約束-ハマナス

 

07
キャリーオーバー成分(表示義務のない原料に含まれる微量成分)も全成分に表示します。

 

化粧品10の約束-キャリーオーバーキャリーオーバー成分とは、原料の品質を安定させるために使用している成分や、エキスを抽出する際に使用している成分のことです。例えば、原料の品質を保つために添加される成分(アルコール、安定剤、酸化防止剤、防腐剤など)があります。キャリーオーバー成分は化粧品の原料としては微量であるため、化粧品の効能効果には寄与せず、全成分に表示する義務はありません。ですが、微量であっても敏感に反応されるお客様もいらっしゃる可能性もあるため、アムリターラではキャリーオーバー成分もすべて全成分に表示しています。

化粧品10の約束-キャリーオーバー

 

08
油脂やエキスなどは、石油由来の化学溶剤などを使わず、自然な方法で抽出したものを用います。

 

一般的な化粧品の場合、植物エキスの抽出によく使われている石油系溶剤としてBGやPGがあります。BGは、工業的製法では、石油由来のアセチレンやエチレンなどから作られるアセトアルデヒドから合成される二価アルコールです。PGは、工業的には、石油由来の酸化プロピレンなどから生成される二価アルコールです。ともにさらっとした使用感で保湿効果や防腐力がありますが、PGは「旧表示指定成分*」でもあり、まれに紅斑や肌の乾燥を招く場合もあります。

アムリターラでは、植物エキスの抽出に石油由来の化学溶剤は使わず、さとうきびやお米など植物由来の発酵エタノールと水に一定期間漬け込んでろ過したものを使います。この方法であれば、脂溶性と水溶性の有用成分をまんべんなく抽出することができます。

 

化粧品10の約束-抽出方法他にも、オーガニックオイルやオリーブスクワランなどに植物を漬け込む抽出方法もあります。どのような溶剤で抽出するかによって得られる成分が少しずつ異なることから、化粧品の用途や性質、出したい効果によって何を使うか決めています。また、植物オイルは低温圧搾でジュースのように搾られたオイルを使用します。

 

*旧表示指定成分とは、体質によってアレルギーなど皮膚障害を起こすおそれのある成分のことです。

化粧品10の約束-抽出方法

09
合成着色料、虫由来の色素類は用いません。

 

合成着色料とは、化学的に合成されたタール色素のことで「赤色○号」や「黄色○号」といった表示で化粧品などに使用されています。タール色素は、当初は石炭のコールタールから作られていたのでこのように呼ばれていますが、今は石油から作られています。

 

1932年に佐々木研究所で、タール色素をラットの飼料に入れた実験で肝臓がんが発症することが分かって以来、赤色4号や黄色5号など数種類に発がん性が発見され、少しずつ使用禁止になってきました。日本でかつて24種類許可されていた食用のタール色素も発がん性が判明されて禁止となり、今は12種類のみが許可されています。

 

一方、化粧品成分として許可されているタール色素は83種類あり、そのうち口紅に使用していいものは58種類あります。唇には角質層がほとんどないので、経皮吸収の可能性があり、食べ物と一緒に口の中に入ってしまうことも考えられます。

 

そして虫由来の色素とは、サボテンなどに寄生するエンジムシという昆虫から抽出する「コチニール」のことです。コチニールは赤色やピンク色の色素で、飲料やお菓子、ハムといった食品をはじめ、化粧品など幅広く使用されていますが、2012年に消費者庁がコチニール色素を含む食品によるアレルギーについて注意喚起を促しました。これらのことから、アムリターラでは合成着色料やコチニールは使用せず、薔薇やハイビスカス、紫根(ムラサキの根を乾燥させたもの)といった植物がもつ「フィトカラー」やマイカ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化鉄などのミネラルを使って着色しています。一生のうちに30本食べる計算になると言われている「口紅」「グロス」に関しては、酸化チタンも使用しないなど更に高い基準を掲げて開発しています。

 

化粧品10の約束-さ姫
化粧品10の約束-あかばなぁ

化粧品10の約束-さ姫

 

化粧品10の約束-あかばなぁ

 

10
100ナノメートル以下を基準とする無機物の超微粒子(ナノ粒子)原料は用いません。

化粧品10の約束-ナノ粒子ファンデーションに配合されている酸化チタンや酸化亜鉛が、近年ナノ粒子化しています。原料をナノ粒子化することで、カバー力があるのに薄づきに見えることや、紫外線遮断効果を高めるなどの利点はありますが、最近のファンデーションに配合されているのは5~35nm(ナノメートル)ほどの非常に細かい粒子です。皮膚細胞の隙間よりも小さいため、皮膚から経皮吸収する可能性や、発がん性もあるとして欧州を中心に問題となっています。

 

また、皮膚の奥にまで入り込むとクレンジングで落としにくく、肌に残留する可能性もあります。そのためアムリターラではナノ粒子は使用せず、ファンデーションに配合する場合は100nm以上の「ノンナノ」の原料を使用しています。

 

化粧品10の約束-ナノ粒子