サスティナブルコラム

志を同じくするパートナーの方々に学ぶ

アムリターラ農園

私たちアムリターラのスタッフは、研修の一環として、志を同じくするパートナーの方々のもとを訪れて、現地で学ぶ研修があります。毎年恒例となっている福岡県・八女市にある「アムリ田」での田植え・稲刈り研修をはじめ、佐賀県にある自然栽培のレモン畑や福井県にある老舗の味噌蔵を訪れたこともあります。

 

今回のコラムでは、2022年9月に佐賀県唐津市にある「リヒテラ(LihiTerra)」で行ったワークショップの様子をご紹介します。

 

リヒテラは「良縁寺」というお寺が主体となり、地域の子どもたちのために精力的に活動している団体です。また、お寺の敷地内にはエディブルガーデンを開墾していて、その一部を「アムリターラ農園」としてハーブを育てていただいています。

 

東京と佐賀、距離は遠く離れていますが、アムリターラの化粧品に使用するハーブなので、できる限り一緒に見守っていきたいと考えており、今回の訪問では、子どもたちとのワークショップとアムリターラ農園の手入れを行いました。

アムリターラ農園

 

子どもを取り巻く環境と社会問題に取り組む「リヒテラ」

「リヒテラ(LihiTerra)」の「Lihi」はハワイ語で縁・繋がりという意味があり、「Terra」は大地・土地という意味があります。お寺から社会問題に関わり始めたことと、良縁寺というお寺の名前にも繋がり、お寺から良い縁があるように、繋がりが広がっていくようにという願いを込められています。

 

リヒテラの代表を務めるのは、靈山侑菜(よしやま・ゆうな)さん。地域や社会が抱える問題をすくい上げて、こども宅食、学習・成長支援、おすそわけサイクル、イベント企画・開催、自然体験などに精力的に取り組んでいます。

 

つながる、みまもる、つなげるを
大切に活動する「こども宅食」

 

2020年10月からスタートした「こども宅食リヒテラ便」は、唐津市社会福祉協議会や他団体と連携して、さまざまな形で困りごとを抱えている子育て家庭に定期的に食品や日用品をお届けしています。お届け物を通じて対話を重ねることで、気軽に相談できる存在、社会との安心できる繋がりを目指しているそうです。

 

リヒテラについてはこちらに詳しい情報が掲載されています。リヒテラの活動内容や、代表・靈山さんの想いが込められています。ぜひご覧ください。

 

お寺の敷地内で育つ、アムリターラのハーブ

良縁寺の敷地内にはコミュニティガーデン「リヒテラ エディブルガーデン」もあります。ガーデンでは、自然のままにハーブや野菜を育てたり、子どもたちに農業体験をしてもらったりしています。また、めいちゃんとリンちゃんという2匹のヤギも住んでいます。

 

アムリターラは、地域の問題解決に尽力する靈山さんの姿や「エディブルガーデン」の取り組みに深く共鳴して、ガーデンの一部を「アムリターラ農園」としてお借りして、キバナオランダセンニチ・ニガヨモギ・ローズマリーホワイト・ジャーマンカモミール・セージ・レモンバームを栽培していただいています。

 

キバナオランダセンニチは「アクティブリペアタイムレスセラム」に、ニガヨモギは「エイジ ソリューション クリーム」に配合しています。その他のハーブもいずれ化粧品に使用予定です。

 

ガーデンの今後の展望について靈山さんはこのように話します。「ハーブの乾燥や畑の手入れといった作業を、ゆくゆくはもっと地域に繋いでいきたいです。こども宅食に関わるご家庭や、コミュニティを求めているご家庭の方など、みんなが集うガーデンとして機能し、循環していく場所として形づくっていけたらと考えています」。アムリターラとしても、靈山さんと共に取り組んでいきたいと思っています。

キバナオランダセンニチ/ニガヨモギ/セージ

レポート1 
子どもたちと一緒にワークショップ

2022年9月、代表・勝田小百合を含むアムリターラのスタッフ総勢12名で靈山さんのもとを訪ねて、地元の子どもたち・親御さんたちと一緒に「昼食作り」と「オーガニックレスキューバーム作り」の2つのワークショップを行いました。

 

昼食には、アムリターラの食品と地元で採れた食材を使って「冷やし玄米麺そば」と「米粉天ぷら」を作りました。子どもたちには、玄米麺を袋から出してお湯に入れたり、天ぷらの衣付け、麺や天ぷらの盛り付けなどを担当してもらい、天ぷらを揚げたり火を使う作業は大人が担当。完成したらみんなでテーブルを囲んで昼食を味わいました。あるお子さんは、普段は絶対に嫌がるネギや玉ねぎを「美味しい!」と何口も食べてくれました。

リヒテラワークショップ

昼食後は、良縁寺のエディブルガーデンに生えているハーブを使って「オーガニックレスキューバーム作り」にチャレンジ。子どもたちには、エディブルガーデンで採取したキバナオランダセンニチ、ニガヨモギ、ミントといったフレッシュなハーブを小さく手でちぎってもらいました。特に盛り上がったのが、この日のために用意したオリジナルラベルの色選びです。「どの色にしようかなぁ」と真剣に悩んでいる姿が印象的でした。

 

リヒテラワークショップ
リヒテラワークショップ

リヒテラワークショップ

 

子どもたちとお料理をするのも、そのあとお母さんたちも含めてみんなでお話ししながら食べるのもとても新鮮で楽しく、地元で採取したハーブでのバーム作りに子どもたちが興味津々で取り組んでくれたことも嬉しかったです。

レポート2 
「小芝居劇団アムリターラ」による劇を披露

ワークショップのクライマックスは、何と言ってもスタッフによるオリジナル劇の発表です。

 

ワークショップに来てくれる子どもたち・親御さんたちにアムリターラが伝えられることは何だろう……。そう思ったときに、オーガニックの語源である「Organ」の意味をもとに、一人ひとりがキラキラ輝いていて誰一人として欠かせない存在であり、みんながこの世において役割を担っていることを伝えたいと考えました。そしてアムリターラスタッフが台本・演出・出演を担当した劇のタイトルは「あなたも私もオーガニックな存在」。10分ほどの短い劇ですが、劇中のあるセリフに笑ってくれたり、キメ台詞「We are organic!」を覚えて帰ってくれたりする子どもたちもいて、成功裏に終わりました。

 

リヒテラワークショップリヒテラワークショップ

 

アムリターラ代表・勝田小百合は劇についてこのように話します。「オーガニックという言葉が単に“農法”だけの意味ではなく、“自然界の循環やつながり”“多様性のある豊かさ”という意味があることと共に、私たち自身が「多様性のあるオーガニックな存在」であることを、ユーモアと共に伝えることが少しはできた気がしました。お芝居はみんな素人ですが、機会があればまたチャレンジしてみたいです」。

 

また今回の研修を通じて、「唐津の地域の子どもたちやお母さんとコミュニケーションが取れて、私たちアムリターラにも深い学びがありました。今後もこのご縁を繋げて、またワークショップなどでご一緒できたらと願っています」と振り返りました。