開発ストーリー
アルニカフロー ボディクリーム
2009年に発売した「プルーンボディクリーム」がグレードアップして、新しい商品名とともに生まれ変わった「アルニカフロー ボディクリーム」。2025年5月にアムリターラWEBショップと直営店限定で先行発売し、満を持して9月に一般発売を迎えました。
今回の開発ストーリーでは、アムリターラ代表兼商品開発の勝田小百合より、リニューアルの軸となった国産アルニカとの出会いを中心に、商品に込めた想いをお伝えいたします。
- バイオダイナミック農法の国産アルニカとの出会い
今回のリニューアルの一番のポイントは、長野県の菅平高原で、バイオダイナミック農法で育てられた「国産アルニカ」を使用しているところです。
菅平高原は、根子岳(ねこだけ)・四阿山(あずまやさん)の麓に広がる標高1,300メートルの高原で、夏でも冷涼な地として知られています。そこでアルニカを栽培しているのがガーデナーの竹脇献(たけわき・けん)さんです。竹脇さんはもともと写真家なんですが、写真家として訪れたイギリスで、バイオダイナミック農法に出合って、感銘を受けてイギリス南部に移住されました。そして2000年から7年間にわたって、本格的にバイオダイナミック農法を学んだそうです。その後帰国して、まずは野菜や薬草づくりを始めて、2016年に菅平高原の地で、たったひとりでアルニカやカレンデュラの栽培をスタートした…という経歴の持ち主です。
そもそもバイオダイナミック農法というのは、ドイツを中心に活動した哲学者のルドルフ・シュタイナーが提唱した農法です。自然のエネルギーの循環を重視して、地球や太陽、月といった天体の動きに従って、農薬や化学肥料を使わずに植物を育てます。
竹脇さんのお話しによると、日本原産ではないアルニカを日本の地に根付かせることにとても苦労されたそうです。竹脇さんは、アルニカの種に菅平高原の気候を記憶させるように自家採種を何度か繰り返して、この地域に根付いたアルニカ(とカレンデュラ)の栽培に成功されました。
- アルニカが持つ力を活かすために
アルニカといえば筋肉痛や肩こりに効果的で有名ですよね。私自身、30年ほど前にアルニカが配合されたボディオイルを使っていたこともあります。
ただ、アルニカは中央ヨーロッパ原産のお花なので、「国産」というイメージがあまりないんじゃないかなと思います。そんなアルニカを日本で育てている方がいらっしゃる。しかもバイオダイナミック農法で!というのは面白いなと思い、ボディクリームの開発が本格的にスタートする前から何度か竹脇さんのハーブ園を訪れていました。アルニカをボディクリームに使わせていただくことになり、どのような形で配合するのがベストなのか竹脇さんに相談しつつ決めました。一般的に有名なのは、アルニカのお花をオイルに漬け込んだインフューズドオイルですが、アムリターラではインフューズドオイルだけでなく、エキスも抽出することにしました。オイルとエキス、この二つの効果は似ているんですが、オイルは保湿や引き締め、肌荒れから肌を守ってくれて、エキスは美肌をサポートしてくれます。
- 米焼酎よりも香り高いお米由来エタノール
今回、エキスの抽出に使ったお米のエタノールについても語りたいことがたくさんあります。このエタノールは、オーガニック米(有機JAS認証)から作られた「オーガニックライス・エタノール」というものです。
岩手県奥州市の休耕田で栽培されたオーガニック米なんですが、お米を余すところなく、有効活用する取り組みで生まれたエタノールなんです。私が感動したのが、エタノール自体が本当にお米のような香りがするところ。「このまま飲めそう」と思えるほど、米焼酎よりもお米そのもののような香りです。
さらにこのまま肌につけても刺激を感じませんし、むしろしっとりするような感じがしました。エタノール自体にしっとり感があって、柔らかな肌触りで。この特別なエタノールを使ってアルニカのエキスを抽出しています。
※オーガニックライス・エタノールは、USDA NOP Organic、エコサートCOSMOSを取得しています。
- ボディクリームに求められるものに、新成分が応える
アルニカだけでなく、今回新たに配合した成分についても紹介します。
まずは何といってもLPSですね。ボディクリームを使う方の中には、乾燥で痒みが出ている方もいらっしゃるんじゃないかなと思って、そういう方のためにもLPSを配合しました。LPSは、「ホワイトバーチモイストウォーター」同様、青森県の木村秋則さんの「奇跡のリンゴ」から採取した菌由来のものを使用しています。天然ヒト型セラミドも今回追加しているので、より肌を守ってくれるボディクリームになったと思います。そして、ジャニアルベンスエキスです。これは「藻」ですね。スキンケアにもボディケアにも効果的な成分で、もともとは「ラインリリース モイストアップ アイクリーム」にも配合しています。ジャニアルベンスエキスのエビデンスを見て、ボディケアだと肌の引き締めにいいと知って、今回新たに配合しました。
- ボディの「FLOW(フロー)」をサポート
生まれ変わった「アルニカフロー ボディ クリーム」は、その名の通りアルニカを配合しているので肩や脚に塗って、流れがよくなるようにマッサージするのがおすすめです。
あとは首やデコルテのエイジングケア*にも効果的です。首は顔より皮膚が薄く、皮脂も少なく乾燥しやすく、でもよく動かす箇所なのでシワになりやすいというパーツですし、頭部に血液を送る太い動脈もあり、全身のリンパ液の多くが最後に流れ着く場所も左の鎖骨周辺にあります。意外と年齢が出やすい場所なので、ぜひこのクリームでケアしてほしいですね。全身にまんべんなく使用する、というよりも首やデコルテ、お尻や足など気になるパーツに使っていただくといいと思います。
竹脇さんのハーブ園には結構前からお邪魔していて、今回掲載した農園の写真自体4~5年前のものになります。竹脇さんのアルニカをどのように使わせていただこうかいろいろ考えていたので、こうしてやっと発売できるのが嬉しいです。ぜひみなさまにお使いいただけたらと思います。
*年齢に応じた潤い・ハリを与えるお手入れ