サスティナブルコラム

女性ホルモンの働きとは?

女性ホルモンの働き

そもそも「ホルモン」とは、私たちの体の中でごくわずかな量でありながら、さまざまな情報を伝え、働いてくれる物質のこと。実に100種類以上のホルモンがある中で、「女性ホルモン」というと「エストロゲン」と「プロゲステロン」の大きく2種類を指します。エストロゲンとプロゲステロンは、ともに卵巣から分泌しているホルモンですが、体に与える影響は異なります。

女性ホルモンの働き

 

エストロゲン(卵胞ホルモン)の特徴

別名「美のホルモン」と言われ、肌や髪の新陳代謝を促し、バストを豊かにしたり、くびれを作るなどの作用があります。また、卵胞を育てて子宮内膜を厚くし、妊娠の準備に備えます。

美容・妊娠のために素晴らしい役割をもつ女性ホルモンですが、加齢とともに分泌が減り、やがて閉経を迎えます。

 

エストロゲン(卵胞ホルモン)の主な働き

  • 肌の潤いやハリを保つ
  • 髪にツヤを与える
  • 骨密度を保つ

 

 

プロゲステロン(黄体ホルモン)の特徴

別名「母のホルモン」と言われ、妊娠に関わるホルモンです。子宮内膜を厚くふかふかにしたり、体温を上げるなど妊娠を維持するために働きます。妊娠した場合は分泌が続き、妊娠していなければ分泌量が減少します。

 

女性ホルモンというと、エストロゲンばかり注目されがちですが、最近プロゲステロンの大切さが見直されるようになりました。乳がん、高血圧、体脂肪増加、子宮筋腫、更年期障害などエストロゲンの増減が関係すると思われていた症状も、実はプロゲステロンの減少によって、エストロゲンとの不均衡が起こることが原因なのではないかと考えられはじめています。

 

プロゲステロン(黄体ホルモン)の主な働き

  • 体内の水分量を保つ
  • 食欲を増進させる
  • 基礎体温を上昇させる
「自分の年齢=卵巣の年齢」

女性ホルモンを分泌しているのは卵巣の中の卵胞です。女性は、生まれたときにすでに卵巣の中に原子卵胞を200万個ほど持っていますが、初潮を迎えた頃から、毎月数百個くらいずつ減少していきます。年齢を重ねるにつれて卵胞の数は減り、決して増えることはありません。卵胞も自分の年齢と同い年であることを忘れないようにしましょう。

 

女性ホルモンの分泌量

女性ホルモンの分泌量は、一生でティースプーン1~2杯分と言われています。ストレスや不規則な生活で、一時的にホルモンの量が減ることはあるかもしれませんが、一生のうちに分泌される量にそれほど大きな個体差はないと考えられています。

女性ホルモンの分泌量

 

ホルモンの王様「DHEA」の素晴らしいパワー

「DHEA」というホルモンをご存じでしょうか?副腎から分泌されているホルモンで、このDHEAをもとに、女性は女性ホルモンに(男性は男性ホルモンに)変換するため、ホルモンの王様的存在だと言われています。

 

閉経までは女性ホルモンのほとんどは卵巣で分泌されていますが、閉経前後から急激に減っていき、その後は卵巣ではなく、副腎から分泌されるこのDHEAのサポートを受けることになります。ただ、DHEAも加齢で減って、40代では20代の半分の量となるので、できるだけ分泌量を増やしたいところです。

 

DHEAをぐんぐん増やす方法

有酸素運動

  • 有酸素運動

運動不足の40代女性で、40分の筋力トレーニングや週3回のウォーキングを2ヶ月継続したところ、DHEAが20~30%も増加することが確認されたようです。

有酸素運動

  • 瞑想

瞑想をすると、脳波がシータ波になると言われており、DHEAを増加させると考えられています。

 

女性ホルモンは、女性の若々しさを左右しますが、分泌量が減少したからといって、その人の美しさが損なわれるわけではありません。女性ホルモンのためのセルフケアやホルモンの王様「DHEA」のパワーで、美しく艶やかな日々を過ごしましょう。

参考文献:
「老けないオーガニック」(ワニブックス)勝田小百合
「老いない美人 女性ホルモンできれいになる!」(西村書店)清水一郎
「女性の不調・お悩み解決BOOK」(マガジンハウス)