開発ストーリー

植物の力で、昼も夜も肌を守る〈ライス&グレープ ラディエンス クリーム SPF12 PA++〉は、前身となる2つの商品を継承しています。ある意味、アムリターラの誕生とともに開発が始まり、ともに歩んできたと言っても過言ではありません。発売に至るまでの経緯と、この商品が担う役割について、開発者でありアムリターラ代表の勝田小百合がお話しします。

2010年発売、「玉ねぎの日焼け止め」からのスタート

日焼け対策アムリターラは2008年に設立しましたが、それ以前より常に私の中で大きなテーマとして持っていたのが、「植物の力だけで紫外線対策ができないだろうか」ということでした。というのも、世の中に出回っている日焼け止めと言えば紫外線吸収剤や100nm以下のナノ粒子の散乱剤を使ったものが主流。環境や肌への影響を考えると、私としては使いたいと思えるものになかなか出会えずにいたんです。世の中に使いたいものがないならば、自分でつくるしかありません。

日焼け対策

 

そんな中、ふと、「玉ねぎって、皮は茶色いけど中は真っ白。玉ねぎになれないだろうか?」という考えが頭に浮かんだんですね。そして時を同じくして、「カバは赤い汗をかいて、自らを紫外線から守っている」という衝撃の事実を知りました。前者はもちろん玉ねぎの皮に含まれる「ケルセチン」というポリフェノールの働きです。

後者のカバには、体毛も汗腺や皮脂腺もありません。汗のような赤い粘液を皮膚から分泌して、弱い肌を外敵から守っているそうなんです。この赤い粘液は、赤い色素を持つヒポスドール酸、オレンジ色の色素を持つノルヒポスドール酸などで、この液体には日焼けや乾燥を防ぐ作用があるのだとか。

 

ベジフルナチュラルサンスクリーン植物や動物が、自ら作り出す成分で紫外線から身を守っているという、この2つの話が同時に頭に入ってきた私は、いよいよ「ミネラルで乱反射させることばかりが日焼け止めじゃないはずだ!」と思い、商品開発に乗り出しました。そうして完成したのが2010年発売、玉ねぎの皮に含まれるケルセチンに着目し、SPF5PA+を実現した〈ベジフルナチュラルサンスクリーン〉(以下、ベジフル。現在は販売終了)です。

ベジフルナチュラルサンスクリーン

植物の力はやはり偉大だった/第二弾は「ベリーの日焼け止め」

玉ねぎ〈ベジフル〉は本当に思い入れのある商品です。当時、「玉ねぎで日焼け止めをつくりたい」と相談したところで、製造工場さんを含む周囲の誰もが無理だと言いました。頑張ってもSPF3が関の山だろうということでした。それでも、植物の力を信じようと心に決めた私は、まさにとりつかれたように試行錯誤を重ね、最終的にはミネラル無しの植物だけの力でSPF5PA+という値が計測されました。

玉ねぎ

 

SPF5程度のものに、PA+が出ることはかなり稀で、この時は本当に泣きました(笑)。ただ、臭いやクリームの色、より高い紫外線ブロック力など、課題はありました。そして次に誕生したのがビルベリー葉エキスやレッドラズベリーオイルによってSPF10PA+を実現した〈ベリーズビューティーサンスクリーンSPF10PA+〉(以下ベリーズビューティー)。SPF5から、その2倍のSPF10になったわけですから、かなりの進化と言えます。

 

こちらは長年ブランドの人気アイテムとして多くの方にご愛用いただきましたので、ご存知の方も多いと思います。2010年に〈ベジフル〉を発売し、翌年には〈ベリーズビューティー〉を発売していることからも、このテーマにかける熱量が伝わるのではないでしょうか。

ベリーズビューティーサンスクリーン

 

ベリーズビューティーサンスクリーン〈ベリーズビューティー〉もクリームの色は植物のポリフェノールなどの影響を受けて、どうしても少しベージュ色になりましたが、肌に伸ばすとほぼ透明で就寝前のスキンケアにも使えたことから、大変好評でした。フィンランドでは真夏の白夜の季節、太陽の光を 24時間浴び続けることや、空気中の汚染物質が少ないので強い紫外線が降り注ぐため、この地域に生育するビルベリーはポリフェノールを豊富に含みます。特にビルベリーの樹の葉には、プロアントシアニジン、カテキンなどのたくさんのポリフェノールが含まれています。〈ベリーズビューティー〉には、このフィンランド産のビルベリー葉エキスを配合しました。

アスタキサンチンとの出会い/<ラディエンスクリーム>の誕生

アスタラディエンスクリームそのように誕生した〈ベリーズビューティー〉と、この度融合したもう片割れの相棒が、2021年春に発売した〈ライス&グレープ ラディエンス クリーム〉ですが、こちらにも〈アスタラディエンスクリーム〉という前身の商品があります。少しややこしいですが、私がアスタキサンチンという素晴らしい成分と出会い、誕生したのがこれらのクリームです。

アスタラディエンスクリーム

 

アスタキサンチンは、ヘマトコッカスプルビアリスという藻が紫外線防御のためにつくり出すカロテノイド色素です。オキアミ、エビ、カニ、鮭などの海洋性生物が紫外線の悪影響から身を守るために備えている成分としても有名で、鮭が産卵期に力強く川を遡上できるのは、アスタキサンチンの力だと言われています。鮭は川の浅瀬で産卵するので、大事な卵が紫外線で傷まないように卵にもアスタキサンチンを含ませているので「いくら」はオレンジ色をしています。

 

このクリームは、「ラディエンス」の名が示すように、アスタキサンチンやそのほかの保湿成分の力で肌が瑞々しく輝くことを目指したフェイスクリームです。2021年に発売したものには、更に、ブアメラ果実オイルという赤いオイルも配合しました。そして、またしても1年後となる今回、新たに発売するのが〈ベリーズビューティー〉と融合させた美容クリームなんです。

 

アスタキサンチンアスタキサンチン
ブアメラブアメラ果実オイル
ついに誕生した、SPF12 PA++の機能を持つ美容クリーム

ベリーの力で肌を紫外線から守る〈ベリーズビューティー〉と、アスタキサンチンやブアメラ果実オイル、そしてアムリターラとしてはなじみの深いお米や日本山ぶどう由来の保湿成分も配合した〈ライス&グレープ ラディエンス クリーム〉を一つにまとめ、誕生したのが今回の商品です。

 

玉ねぎのSPF5PA+、ビルベリー葉エキスのSPF10 PA+を超え、ついにSPF12 PA++。SPFとPAの検査は、世界共通の一定の基準のもとで計測されるので、あくまでも目安ではありますが(実際には肌質や、発汗などその時々のコンディションも影響するため)、それでも紫外線からどれだけ肌を守れるかということの指標にはなります。ミネラルで物理的に乱反射しているわけでもない、水分と植物と藻でできたクリームにSPF12 PA++が出たことは、玉ねぎのSPF5時代から考えると驚異的な進化であり、自然界の力が証明されたと感じました。

 

ビルベリービルベリー葉エキス
レッドラズベリーオイルレッドラズベリーオイル

 

「日焼け止め軸」と「美容軸」、それぞれで重要視してきたキー成分を集結させたクリームが完成し、それを SPF・UVAPF試験に出したところ、〈ベリーズビューティー〉よりもさらに試験成績が上がり、SPF12 PA++が出てしまった!というわけです。〈ライス&グレープ ラディエンス クリーム SPF12 PA++〉は是非、朝晩ともにお使いください。日中は紫外線から守り、夜も肌に潤いを与え乾燥でくすんだ肌を輝かせてくれます。使うほどに肌は健やかに美しく輝く、そんな特別なクリームです。

 

ついに、ブランドの歴史とともに掲げてきた「植物の力だけで紫外線対策」というテーマが形になりました。でも、私の生きている限り、まだまだ探求は続きます。

  • ライス&グレープ ラディエンス クリーム SPF12 PA++

    植物の総合力で昼も夜も肌を守り、使うほどに潤って肌が健やかに整う美容クリーム。

    *肌の日やけ、乾燥を防ぐ