すだち発祥の地、神山町
徳島県のほぼ中央に位置する神山町は、1,000m級の山々に囲まれる山あいの町で、全面積のおよそ8割が山地であり、町の中央を縫うように鮎喰川が流れています。かつて大粟郷と呼ばれていた神山地域では、未開の山地のことを“神山”と呼んでいたそうです。徳島県は生産量日本一のすだちの産地として知られていますが、実はこの神山がすだち発祥の地だと考えられています。年間降水量が多く、昼夜の寒暖差の大きい神山地区はすだちの生育に適していたようです。現在、高齢化や担い手不足といった課題を抱え、すだちの耕作放棄地が増えしまっているようですが、大切に紡がれてきた“すだち文化”をつないでいくために、有志の方々や移住者などでNPOを立ち上げ、耕作放棄地の再生や農作業・販売支援などを行うことで、すだちと里山の未来を存続させるために働きかけています。アムリターラで取り扱うすだちも、そんなすだち復興の取り組みの中でご縁をいただきました。
「古くて新しいみんなの里山をつくろう」という合言葉をたずさえ、古くから大切にされてきた自然とともに生きる知恵や謙虚な姿勢を受け継ぎ、みんなで新たな価値を創造する未来の里山をつくっていきたい。住民と移住者のどちらにも住みやすい里山を実現するため、すだち栽培を通して、さまざまなアイディアを形にしていっています。