小豆島の風土が生んだ醤油

大正9年(1920年)創業の醤油蔵で年代物の木桶を使って天然醸造されます。伝統の小豆島醤油ならではの上質な味わいは、温暖でさわやかな気候風土はもちろん、小豆島に現存する20社もの醤油蔵が集約して切磋琢磨してきた、醤油造りの歴史がそのまま表れています。
こだわりの醤油造り

大豆を丸ごと水に浸して、それを釜で蒸すことから始まります。そして、焦げないように丁寧に炒った玄麦を細かく砕き大豆と混ぜ合わせ、種麹と混ぜ合わせて発酵させて麹を作ります。
数日後、出来上がった麹を天日塩の塩水と合わせて木桶へ入れ、その後1年以上じっくりと熟成させて醤油のもろみが完成します。
もろみ蔵の中や木桶には、長年の醸造で棲みついた麹菌や酵母菌、乳酸菌が存在し、蔵ならではの味わいを表現し、醤油の表情を作り上げているのです。
繊細でありながら安定感と芯のある味わいは、十分なコクと甘みを奏で、たとえ醤油だけの味付けであっても事足りるほど、素材をおいしさで包み込む力があります。

醤油が仕上がるまでの工程の中で、一番長い期間を必要とする、もろみ発酵において、微生物たちの繊細で奥ゆかしく、時に力強く荒々しい働きにより、原料の自然栽培大豆、小麦のおいしさが最大限に味わえるのです。
歴史の中で培われた職人の技を用い、一つ一つの工程を丁寧に積み重ねていくことで、原料素材のもつエネルギーを最大限に引き出し、発酵熟成により味わいへと昇華させた、醤油の自信作の完成です。
味わいが活きた生(なま)醤油造り

現在、多くの蔵ではもろみを機械搾りするのが一般的ですが、この蔵ではもろみを布の袋に入れて木桶に寝かせ、上から少し押してもろみ自体の重さで自然に醤油を搾っています。
こうすることで粕を搾ることがないので、醤油に雑味が出ないそうです。
通常の醤油はこの段階で2秒間、80℃で火入れして瓶詰めしますが、この蔵では火入れせずに目の細かいフィルターを通してろ過して瓶詰めする為、非加熱ならではの香りの活きた風味豊かな生(なま)醤油になります。
小豆島400年の伝統 桶(こが)仕込み醤油

瀬戸内海に浮かぶ香川県の小豆島は、温暖で雨が少ない土地柄、古来より塩作りが盛んで、原料も船で豊富に集まってくることから、約400年前より醤油造りが始まりました。
直径約2.2m、深さ約1.7mの巨大な杉樽を用いて長期発酵・熟成する「小豆島桶仕込み醤油」という伝統製法が誕生しました。
酵母菌が棲む杉樽には、それぞれに味の個性が出るそうで、職人はその樽の個性を見極め、じっくりと対話をしながら丁寧に作り上げています。
自然栽培原料がもたらす、発酵熟成の妙味

■自然栽培大豆「フクユタカ」(熊本県)
たんぱく質の含有量が高く、あま味とうま味のバランスのとれた味わいが特徴の白大豆です。煮物や味噌の材料としても幅広く利用されており、その使い勝手の良さから、人気の大豆です。農薬、肥料を使わず自然栽培で育てられたフクユタカを使用。自然栽培ならではの大豆そのものの味がしっかり感じられます。
大豆の育った熊本県の七城町は、気候の良さと水の良さが大豆の栽培に適しています。
■自然栽培小麦「チクゴイズミ」(熊本県)
■塩「天日塩」(オーストラリア)
オーストラリア世界遺産シャークベイの自然結晶塩

オーストラリア大陸の最西端に位置するシャークベイは、古代生物ストロマトライトが群生し、ジュゴンやイルカなどが多数生息している美しい海洋です。
塩田では太陽や風力などの自然エネルギーを有効に活用し、海洋自然保護区内の海水を濃縮させ、自然結晶塩が作られています。
醤油にはこの良質な塩が使われています。
調味料